発酵豆知識

#12 燗酒が身体にいいと聞いたのですが本当ですか?


はい、確かにそういう説はあります。
燗酒が身体にいいとされてる理由は
色々ありますが、アルコールは体温に
近い温度で吸収されます。

つめたく冷やしたお酒だと吸収されるのが遅く
酔いを感じるまでに時間がかかります。
燗酒だとスムーズに吸収されるので
変に飲みすぎることが少なくなります。

身体の調子を見ながら飲む事ができ
悪酔いを防ぐ効果がありますね。

皆さんは燗酒というと熱燗が思い浮かびませんか?
では熱燗とは何度くらいでしょうか?

意外と知らないと思いますが
日本らしく、燗酒にも温度によって
様々な呼び方があるのでご紹介します。

 

5℃ 雪冷え(ゆきひえ)
10℃ 花冷え(はなひえ)
15℃ 涼冷え(すずひえ)
30℃ 日向燗(ひなたかん)
35℃ 人肌燗(ひとはだかん)
40℃ ぬる燗
45℃ 上燗(じょうかん)
50℃ 熱燗(あつかん)
55℃ 飛び切り燗(とびきりかん)

15℃~30℃までが抜けているのですが
この辺りは「冷や(ひや)」と呼ばれます。
いわゆる常温のお酒ですね。
冷や=冷酒(つめたいお酒)
のような感じがしますが、少し違います。

ほほ5℃間隔で区切られてる感性など
昔の人のセンスを感じますよね。
そして、こんなに細かく区切られてる
のにはちゃんと意味があります。

日本酒を燗して温度を上げることによって
含まれる酸の味わいが変化します。
簡単に言うと
冷やすとおいしい酸
温めるとおいしい酸
が日本酒には色々含まれているのです。

日本酒はそれこそ1℃単位で味わいが
変化していくお酒です。
その日本酒が持っている旨みや酸味などが
複雑に絡み合って、ここ!という温度が
存在するのです。

但し、日本酒自体が嗜好品ですので
これは何度とは一概に言えないのですが
温度で色々な味わいが感じられます。


そして、おちょこなどの酒器(しゅき)によっても
味わいが変わってきます。
人間の舌には味を感じる味蕾(みらい)があり、
◆甘味
◆旨味
◆塩味
◆酸味
◆苦味
などを感じ取ります。

酒器の形(広さ・深さ・厚さ)によって
口の中にお酒を入れた時に触れる場所が
違ってくるので味わいも変わります。

少し長くなってしまいますので、次回
自宅でできる燗酒の仕方について
お話したいと思います。