発酵豆知識

#5 軟水と硬水って何が違うんですか?

「軟水」と「硬水」の違いって何?
硬度、すなわち硬さの違いと言いますが
そもそも水の硬さって何でしょう。

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水1リットル当りに含まれるカルシウムや
マグネシウムなど人間に必要なミネラルの
質量を表したものが硬度です。
硬度が高い方が硬水で、低い方が軟水。
日本では100mgを基準にして表します。

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これは、あくまでも決まり事なので
数字よりも硬水で仕込んだ時と
軟水で仕込んだ時では出来上がった
日本酒にどんな違いがあるのか?
気になりますよね。

日本酒の最終的な味わいには
他の要因も大きく関わってきますが
軟水だと軽く滑らかな日本酒に、
硬水だと芯のある辛口な日本酒に
仕上がる傾向があります。

関西で酒どころとして名高い
「兵庫・灘」と「京都・伏見」
灘の男酒・伏見の女酒って
聞いた事ありませんか?

灘は日本の中でも硬水といわれ
伏見はそれよりも硬度が低めです。
日本酒を男女に例えるってなかなか
面白い表現ですよね。

ものすごく簡単に言ってしまうと、
日本酒は米を発酵したものです。
発酵にも色々な種類があるのですが、
糖分を分解してエタノールと二酸化炭素
を作りながらエネルギーを得るのが
アルコール発酵と言います。

日本酒はこの働きを利用して造っています。
そして糖分を用いてアルコール発酵する
代表的な生物が酵母(こうぼ)です。
しかも、酸素がないところで発酵します。

麹(糀・こうじ)
酵素(こうそ)
酵母(こうぼ)
似たようなややこしい名前が出てきましたね。

全て日本酒造りに必要ですが全く別モノ。
また、改めてゆっくりと説明します。

要するにアルコール発酵をするのが酵母、
そして酵母の餌になるのがミネラル分。
ミネラルが多い程、酵母は活発な動きをします。
だから硬水で仕込むとアルコール発酵が進み
辛口の日本酒になりやすいのです。

日本酒を飲む時に仕込水があれば是非
味わってみてください。
その日本酒の味に大きく関わっている
水自体も味わい深いものですよ。