発酵豆知識

#3 米こうじって、一体何?

日本酒の原料は「米・米こうじ・水」。
米は知ってますよね?
水もわかりますよね?
では、米こうじって何でしょう?

「こうじ」は漢字で書くと
【麹】もしくは【糀】と書きます。
より多く使われてるのは【麹】かな、
でも私は【糀】の方がしっくりきます。
米にカビが生えて花のように見える
という日本人らしい漢字だと思ってます。

こうじとは、米や麦や大豆などの穀物に
麹菌というカビの一種が生えたものの事。
すなわち米こうじとは米にカビが生えたもの。

カビと聞くと、えっ?バイ菌!?と
思ってしまうかもしれませんが
発酵食品などを作る時に必要な
人間にとって役に立つ食べられるカビです。

もやしもんって漫画知ってますか?
そこにいっぱい出てくる菌が、
まさに米こうじです。

ここで次の疑問が出てきたと思います。
そもそも日本酒を造るのに、
何故カビが必要なのでしょう?
実はカビ自体が必要というよりも、
カビが作り出す酵素が日本酒造りには
欠かせない存在なんです。

米こうじが作り出す酵素として代表的なものは
「αアミラーゼ」や「グルコアミラーゼ」
があります。(※名前は知らなくOKです。)
米の中のでんぷんを細かくして糖分に変える
力を持った酵素です。

ご飯を口の中で噛み続けてると
甘くなってきますよね?
それは唾液の中にある酵素の働きなんです。
その働きを日本酒造りに利用しているのです。

例えばワインだともともと原料である
ぶどうに糖分(果糖)が含まれています。
その糖分がアルコール発酵に使われて
ワインが出来るのです。

アルコール発酵には必ず糖分が必要です。
ですが、米には糖分はありません。
そこで米の中のでんぷんを糖分に換える
「糖化(とうか)」という過程が
必要になります。

その糖化に必要なのが酵素であり、
その酵素を作り出すのが麹菌というカビであり、
その中でも日本酒は米こうじを使っている、
という事です。

少し話しがややこしくなったかもしれませんが
要するに、日本酒を造る為に大切な働きを
しているのが米こうじであると覚えててください。