日本酒の世界で良く出てくる
【麹(こうじ)】
【酵素(こうそ)】
【酵母(こうぼ)】
何となく全部「こ」がつく三文字で
混乱してしまいませんか?
私は最初、日本酒の本を読んだ時に
真っ先にここで心折れました(笑)
この三つについてできるだけ、
わかりやすく説明したいと思います。
まず、麹と酵素と酵母は全く異なるものです。
・麹はカビ(微生物の一種)
・酵素は触媒
・酵母は微生物
◆麹と酵母は微生物で生物
(イキモノ)です。
◆酵素は生命体ではなく
数百のアミノ酸が繋がってできた
単なる物質です。
それぞれの働きは
●麹は微生物であり、カビの一種。
食べ物を腐らせる悪玉のカビではなく、
人にとって有益な善玉のカビの代表。
米麹とは蒸した米の表面に、
乾燥した麹の胞子をふりかけて
増殖させたものです。
この麹が増殖する時に、
大量の酵素を生産します。
●酵素は触媒。
生命体ではなく、数百のアミノ酸が
繋がってできた単なる物質。
デンプン分解酵素(アミラーゼ)は
米の中のデンプンを糖に、
タンパク質分解酵素(プロテアーゼ)は
タンパク質をアミノ酸に細かく分解します。
●酵母は微生物の一種。
清酒酵母は糖を酵母が分解する時に、
アルコールと炭酸ガスを発生します。
これをアルコール発酵と言います。
吟醸香といわれるフルーツの様な
バナナやメロンを思わせる香りは
低温・低酸素の中で酵母が
アルコール発酵をする時に
産みだされるものです。
清酒酵母(日本酒を造る為の酵母)は
酸素のない状態で発酵します。
その時に苦しくなって出てくるのが
吟醸酒などの香りなんです。
もう一度整理します。
要するに米に麹を振りかけて増殖させ
その麹が生み出す酵素を使って
米の中のでんぷんを糖分に替えます。
そして、その糖分を餌とする酵母を
加えてアルコール発酵させて
日本酒造りに利用しているのです。
同じような言葉が並んですみません。
もう一度大雑把に説明すると
米の中のでんぷんを糖にして
それを食べる酵母によってアルコールが
産まれるという流れです。